エラリー・クイーンの国際事件簿

エラリー・クイーンの国際事件簿』エラリー・クイーンの国際事件簿 (創元推理文庫)読了。
読み始めから、やや時間がたってしまいました。


『私の好きな犯罪実話』『エラリー・クイーンの国際事件簿』『事件の中の女』といずれも雑誌連載を元とした単行本を
ひとつにまとめたもの(『私の好きな犯罪実話』はアンソロジーのためクイーン2編を抽出)。


繰り返しになりますが、なかなか読了できなかったというのは、決して「つまらなかった」訳ではありません。
『私の好きな犯罪実話』以外の39話はいずれも編集部がネタ提供したものをマンフレッド・リーが小説化したという
ことで、『盤面の敵』『第八の日』の逆パターンになります。いずれも9ページ程度の長さの作品ですが、語り口がすっきり
としていて(翻訳の良さもあってか)切れ味のあるストーリーとうまいオチを持った内容となっています。「事件簿」の方は
当初の設定が「探偵兼作家のエラリー・クイーン」自身が関係者から話を聞いてまとめた、ことになっているので数編を
除いて”エラリー”が登場しています。



以前より存在は知っていても本編(純粋なクイーン作品)でないため「読まなくてもいいや」と思っていた「国際事件簿」ですが
クイーン・ファンはもちろん、むしろ「クイーン嫌い」なヒトに読んでもらいたい作品です。
作詞・作曲両方やった作品のみが、そのアーティストの「オリジナル」というわけではない、ということがこの歳になり判ってきた
ためでしょうか。